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「漢字教育」で修士号=モライスさん1年間の日本留学実る=楽しく学べる教材を=自身は中国語学習も

10月29日(金)

 【既報関連】国際交流基金の日本語教育指導者養成プログラムで一年間日本に留学、修士号を取得したアレシャンドレ・アウグスト・ヴァロネ・モライスさん(41、元文協日本語講座教師)が九月末に帰国。十九日午前、ブラジル日本語センターを訪れて、同プログラムOGなどに成果を報告した。研究テーマは、漢字教育。主に、教材開発について調べた。今後、漢字のルーツを求めて中国語の学習も始める予定で、意欲満々だ。
 書き順に従って何度も機械的に書くことが、伝統的な漢字の暗記方法だ。グループに分けたり形を分析することなどによって、「より楽しく学習出来る教材を編み出す」のが、モライスさんの大きな目標。同プログラムは通過点の一つだ。
 政策研究大学院大学、国際交流基金日本語国際センター、国立国語研究所で言語学、文法、教授法などの講義を受講。日本語によるプレゼンテーション、レポートの提出をちょくちょく義務付けられた。
 ベトナム、ウクライナ、モンゴル、ミャンマーなど世界九カ国から参加。そのほとんどが大学教授だった。
 二年を一年に濃縮して修士号をとるため、その多忙ぶりがうかがえる。「ブラジルで実践の経験はありましたが、理論的な話を聞けたのが一番の収穫。充実した一年でした」。
 プログラムが半年終わった時点で、一度ブラジルに帰国。サンパウロを中心に漢字の実態調査を実施した。それを北東部や南部などブラジル全体に拡大させていきたいという。
 漢字のルーツを掘り下げるには、中国文化の知識が必要だということを実感。中国語の学習をスタートさせる決意をした。
 自身の翻訳・通訳の事務所を続けるほか、日伯文化連盟(アリアンサ)のサンジョアキン校(旧文協日本語講座)で教壇に立つ。