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エイズで有罪判決=感染隠し性交渉は致死罪

10月30日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】サンパウロ市地裁は二十八日、エイズ患者が恋人に病気を感染させたのは致死罪未遂が適用されるとして禁固八年の実刑判決を言い渡した。保釈は認められない。国内でエイズ感染の判決は初めてのケースで注目を集めている。被告の弁護団は直ちに控訴した。
 この裁判は、四十歳の被告がHIVビールス保有のエイズ患者でありながら病気を隠して元恋人と性交渉の挙句にエイズを感染させた罪に問われていたもの。元恋人によると性交渉はニ〇〇一年までの二年間に及び、コンドームを使用しなかったという。これにより元恋人は治療に明け暮れるとともに、死に脅える精神的苦痛を受けているとして訴えたもの。これを受けて、検察は人身よう護と名誉き損のほかに死を招く危険性があるとして致死罪を主張した。裁判ではこれが全面的に認められ、初のエイズ裁判としてエイズに対する裁判所の厳しい態度が伺えた。
 この判決に対し関係者では賛否両論が湧き上がっている。犯罪専門家は、感染させたことは犯罪として成立つが、現代に医薬の進歩で必ずしも死を招くとは限らず、致死罪が適用されるのは疑問だとの見方を示している。いっぽうでエイズ撲滅運動のリーダーは、この種のエイズ感染者はこれまで泣き寝入りしてきており今回の判決はエイズ防止の一環となるとの態度を表明している。