11月4日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】サンパウロ市次期市長決選投票が終わり、即日開票が進んだ三十一日午後十一時ごろ、路上生活者ら三千人が市内七カ所の建物に不法侵入を図り、出動した警官隊と衝突する事態が発生した。
不法侵入は都心部路上生活者運動(MSTC)の主導で行われ、都心部では千五百人のメンバーが、二カ所の空きビルに不法侵入し占拠した。さらに三カ所の占拠を試みたが出動した警官に阻止された。このほか、北部と東部二カ所でも同様の騒ぎが発生し、警官との衝突で多数負傷者が出た。
騒動が起きた付近の住民は、これら路上生活者が今回の選挙で現市長のマルタ氏の支持者だったことからマルタ氏の敗北で、暴動が発生したと思ったと語っている。ビルが占拠されたのは都心部のレゴ・フレイタス通り五ニ七番とソーロン通り九四五番の二カ所だが、数時間後に警官が全員退去させた。このほか、警官が侵入を阻止したのが、バロン・デ・ピラシカーバ通り一ニ五番など三カ所、さらに北部カーザ・ベルデ区カーザ・ベルデ大通りニ九ニ六番と東部サン・マテウス区フランシスコ・デ・メーロ・パリェッタ通り。
同運動のリーダーは今回の活動について、マルタ氏の敗北によるものではないとし、結果の如何に関わらず「投票日作戦」と名付けて三カ月前から計画していたことを明らかにした。当初は都心部のメンバー千五百人を目途にしていたが、北部と東部のメンバーが共鳴、連動した。同リーダーは加えて、次期市長への抗議と問題提起が目的だとしている。それによると、マルタ現市長とはこれまで対話があったが、アウキミン聖知事は頭から相手にしてくれなかった。次期セーラ市長も同様に相手にするとは思えず、現に政見発表でも住民問題に触れていないと指摘する。
この騒ぎで多数の負傷者が出た。メンバーらは警官らが、催涙弾やガス弾に加え、ゴム弾を狙い射ちしたためと主張しているのに対し、警官らは規定の行動を遵守したとして、暴徒化したメンバーが石や棒などを投げつけたのが負傷の原因と反論している。