11月5日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市南部モエマ区アガミ通りの高級マンション、コレージオ・ビルに三日午前六時、武装した強盗二十人が押し入り、住人の金品を強奪する事件が発生した。被害額は百万レアル相当に上るとみられている。
一味は手慣れた様子で、四時間にわたり悠々と、かつ冷静に犯行に及んだ。負傷者はなかった。犯行は悠然と行われたが、逃亡は素早く、隣家では気が付かなかったという。警察では高級マンションを狙った一連のプロ強盗集団の仕業として犯人らを追及している。
強盗らは自家用車に分乗してマンションに乗り付け、三メートルの塀を乗り越えて侵入した。一味は三組に分かれ、一組は門番と守衛を拉致して見張り番となり、一組はガレージで通勤、通学しようとした住民を人質にした。もう一組は上階の住人の室に侵入した。
いずれもピストルのほか、小銃や手りゅう弾を手にし、各室では室内の家具類や電化製品には目をくれず、現金と宝石類を強奪した。被害総額は調査中だが百万レアル相当とみられている。犯行は四時間に及んだが、住民らは一味が手りゅう弾を持っていたことから、警官が駆けつけた場合に窮地に陥って爆発させるかも知れないとの恐怖から警察にも通報せず、室内で息を潜めていたという。一味らは住民の車で素早く逃亡した。
警察によると、今年に入り同様の手口の犯行が六件発生し、これまでに十二人が逮捕されている。これらの事件では全て南部地区の高級マンションが狙われている。モエマ区はこれで二件目となった。警察は背後にプロ集団が介在していると見て捜査している。さらに、これまでアパートの使用人が手引きしていた例もあることから、ビル従業員の調査も同時に行う意向を示している。