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増える離婚、片親の蒸発=在日ブラジル人=「子供の旅券更新できない」=申請書に両親のサイン要

11月5日(金)

 離婚したり、片親が蒸発したため、両親のサインが揃わず、未成年の子供がパスポートを更新できない。そんな問題が、在日ブラジル人の間で顕在化しているという。十月二十六日付インターナショナル・プレス紙が報じた。
 三重県桑名市のスギモト・レジーナさん(25)は、四年間同棲していた男性(32)との間に子供(7)が一人。だが男性は蒸発、連絡が取れない。子供のパスポートの期限が切れたが、再発行手続きが出来ないのが悩みだ
 スギモトさんは「子供の出生証明書には両親の名前が登録されているので父親のサインが必要。でも所在が判らない。地震などの災害時に、子供とブラジルへ帰れるようパスポートをそろえておきたいのですが」と途方に暮れる。
 名古屋のブラジル総領事館のエウリコ・デ・フレイタス総領事によると、「未成年者のパスポート再発行には、両親がサインした申請書の提出が不可欠。両親の片一方が行方不明の場合は、ブラジル民事裁判所の判事の許可書を得なければ、再発行できない」と語る。その理由については、国際誘拐事件や、親の片一方が子供と国外逃避するのを防ぐためとしている。
 ただし、活路はあるようで、民事専門のある日系弁護士は「スギモトさんの場合は、ブラジルの民事裁判所判事の許可書を得なければならないが、そのために帰国する必要はないだろう。ブラジルの家族か弁護士に委任状を送付して、代理で許可書を取得すればよい」と話す。