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ヴィエガス国防相が辞任=エルゾグ事件で軍高官と亀裂

11月6日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙五日】外交官出身のジョゼ・ヴィエガス国防相(62)が四日、大臣職を辞任した。辞任願は十月二十二日に提出されていたが、ルーラ大統領が保留、四日に受理した。後任はアレンカール副大統領で、同相を兼任する。政府内部の確執が理由で大臣が辞任するのはルーラ政権では今回が初めて。
 ヴィエガス国防相は二〇〇三年一月に就任以来、軍高官らと対立してきた。今年初めの軍人の給与調整をめぐる争いもあるが、辞任の直接の理由は、軍政時代に軍部に拷問され自殺(変死)したとされるエルゾグ氏とみなされた写真(後に政府は別人と発表)について、拷問を正当化する軍部の報告書だった。
 ルーラ大統領に提出し、同日公表された文書の中で同相は、「軍部には国家安全保障について時代錯誤的な考え方や過去の遺物である権威主義的思想がはびこり」、「こうした過ぎ去りし思想の持ち主らは現場を去る時が来た」と訴えている。また辞任前に同相は、同報告書の作成責任者であるアルブケルケ総司令官の更迭を大統領に求めていた。しかし司令官は更迭されず、正当化の度合いを弱めた二つ目の報告書を軍部が提出することで、この件は幕が引かれた。
 後任にアレンカール副大統領が選ばれたことは軍上層部を驚かせた。「疑いようのない権威」をもつ人物を任命したとルーラ大統領は説明。新たな確執を避けるためとみられ、大統領は軍高官を留任させる考えだ。ヴィエガス氏はヨーロッパ大使に任命されるとみられている。