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ラ米首脳会議が閉幕=共同宣言を採択=IMFの条件緩和を盛る=ハイチ援助も議題に

11月9日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】四日と五日の両日、リオ市内のホテルで第十八回ラテン・アメリカ首脳会議(リオ・グループ会議)の通常総会が行われた。これには中南米およびカリブ諸国十九カ国の代表が参加した。開会宣言でルーラ大統領は「団結によりさらなる経済発展を目指したい」との意向を示した上で、貧困撲滅とハイチ内乱の平和的解決に向けて各国の協力と理解を訴えた。二日間の協議の後、共同宣言が採決された。そこではIMF(国際通貨基金)の債務返済の条件緩和が提唱されると共に、世銀や米州開発銀行からの新たな融資についても言及している。ハイチ問題についても六項目の提案が盛り込まれた。

 会議には中南米十八カ国とカリブ諸国一カ国の代表が参加した。そのうち大統領が十一カ国、ほかは外相などが代表した。協議はまず、各国の共通課題となっているIMFの債務返済問題から始まった。これにつき、ブラジルが単独でIMFに申し入れている国家財政の収支決算の見直しを、共同決議案として共同宣言に盛り込むことで一致した。これは国内のインフラ整備および貧困撲滅などの社会福祉に関する投資費用は返済から除外しようというもの。これまでのブラジルとIMFとの個別交渉では、IMF側は柔軟な姿勢を見せている。これを共同で年内にコロンビアで開かれる分科会にIMF代表団を招いて申し入れを行うことを決議した。
 さらに世銀や米州開発銀行の融資については、各国がすでに限度額に達している点を踏まえ、メンバー国の代表諮問機関を設け、そこを窓口として世界各国から融資の受け入れを図る案も採択された。
 また共同声明では、経済発展のためにメンバー国の自由取引を拡大していくことを挙げた上で、平和維持と治安強化で相互協力を惜しまない点が再確認された。これについてはブラジルが国連安保理の常任理事国に名乗りを上げている点を再認識して同国をバックアップすると共に、今後常にメンバー国から理事国入りも図ることも強調された。
 ブラジル側から提案されて議題となったハイチ問題については、六項目から成る平和的解決の提唱が採択された。その骨子は、ハイチの治安と経済を回復するための国連介入を早急に求め、国民総選挙による大統領選出で、自立を後押しすることを勧告している。ブラジルは同国に対し現在、一千二百人の平和部隊を派遣している。ベネズエラのシャーベス大統領はメンバー国に配布した声明書でこれに触れ、国際間の協力が不可決だとしている。
 ルーラ大統領はこの会議に参加したメキシコのフォックス大統領、ベネズエラのシャーベス大統領、ボリビアのメ―サ大統領と個別に会談し、両国間の通商問題について協議した。特にメキシコとは現在ペトロブラス(石油公団)が原油採掘に関しアドバイス契約をしているが、採掘権の許可を求めたことを明らかにした。同国では国がそれを独占しており、外国に門戸を解放していない。
 会議を終了した一行は市内の旧大統領官邸で行われたルーラ大統領主催の打ち上げ夕食会の後、リオ名物カーニバルのサンバ隊のアトラクションに飛び入り参加し、深夜までムラッタらと踊っていた。