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アルコール14%値上げ=需要増に生産対応できず?

11月9日(火)

 ペトロブラスによる三週間前のガソリン価格調整に続いて、国際市場での原油価格上昇分を上乗せするため、ガソリン価格が五日から引き上げられた。サンパウロ州石油関連商品小売業組合(Sincopetro)は、アルコールの価格がガソリンスタンドで一四パーセント上昇、ガソリン価格は今年十月にペトロブラスが公表した値よりも二、四パーセント高い、二、九パーセント上昇した(二五パーセントのアルコール価格上昇分を含む)と伝えた。
 「ガソリンスタンドが新価格のガソリンを受け取った後、消費者価格に自動的に調整値が上乗せされる」とジョゼ・A・P・ゴウベイア組合長は話す。販売業者によれば十月初旬からアルコールの生産価格が上昇し始めたものの、今になって消費者へ価格が跳ね返る結果となった。国立燃料及び潤滑油販売業者組合(Sindicom)のアリジオバース組合長は、「値上げ理由を説明をしなければならないのは製造業者だ」と述べる。
 六月以来、Sincopetroの試算ではアルコールの価格がサンパウロ内のガソリンスタンドで一OO%以上の増加を示した。サンパウロ砂糖きび農業組合(Unica)のアントニオ・P・ロドリゲス氏によると、「アルコールの商品化は国内で自由化されて」おり、そのため需要と供給の法則に従って価格が変動するという。パドア氏は、「今年だけで燃料消費の増加量は一O億リットルに達する。二OO三年と比較して一Oパーセントの増加である。」と述べている。パドア氏が指摘する問題は、ガソリンにアルコールを混入する例でも分かる様に、平行市場での現在の使用量増加にある。「消費量増加の観点からはプラスであっても生産計画の観点からはマイナスである。加えて消費の急増を予測することはできない」とパドア氏は言う。また同氏は、新たな値上げを否定せず、「市場の動向によっては、燃料価格が安定する事もあり得るし、上昇したり下降したりすることもあり得る。」とミリアンバッチ氏は言う。但し、ガソリンとアルコールの価格差はまだ七十パーセントに達していないため、アルコールを消費したほうがまだ割安になる。
 ロドリゲス農務相は、燃料用アルコールの価格動向を見守る意向を示した。また同相は燃料用アルコール製造所でのいかなる値上げにも応じないと述べた。政府として値上げへの介入が必要な場合もあるので、この問題に関しては継続して動向を見極めるとし、民間部門との交渉も示唆した。