11月10日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】七日夜に警官隊と激しく衝突してから十六時間経過した八日午後、路上生活者グループ「住宅闘争前線(FLM)」はサンパウロ市中央部の連邦カイシャ・エコノミカのビルを明け渡した。
明け渡した時、同ビルにはFLMのメンバー三十人がいた。警官隊は七日夜、同グループのうち最も大きな集団が同ビルに侵入しようとしたのを、ゴム弾を発砲などして阻止し、メンバー四人を逮捕した。メンバーらは投石で抵抗、ルーズベルト広場は戦場の様相を呈した。
連邦カイシャのガグリアルディ代表によると、警官隊と同グループの間に明け渡し交渉は行われず、十五分以内にビルを明け渡すよう警察が求めると、メンバーらは国歌を歌いながらビルを立ち去り始めたという。
FLMの行動は、サンパウロ州の住宅問題に世間の関心を集めるためとみられる。サンパウロ市では先月三十一日、市長選決選投票の四時間後に都心部路上生活者運動(MSTC)を始め、十二のグループが七カ所のビルを占拠、現在も四カ所で占拠が続いている。
フィーリョサンパウロ州保安局長官は、警官隊がビルの所有権保護を目的に法に従って行動したと発言、アウキミンサンパウロ州知事はビル占拠には何ら意味がなく、暴動の一種とみなしている。