11月10日(水)
サンパウロ州リメイラ市にある味の素ビオラチーナ社(酒井芳彦社長)の工場を見学した。サンパウロ市から約百三十キロ。味の素、味塩、洋食用調味料サゾン、粉末飲料ミッドなど手広く製造している工場だ。
「味の素を製造するのに、プラント工場並の工場が必要だと考えていない人は、たいてい驚きますね」と、案内役の馬島英治企画開発センター長はいう。
周囲には味の素の原料であるサトウキビの畑が広がる。製造にあたり水を大量に使用するため、サトウキビの絞りカスから、肥料を作り出し、畑に還元するバイオ・サイクル・システムを採用するなど環境保全には気を使っている。
百四十ヘクタールという敷地内のほとんどは自然林。ユーカリ、多くの果樹を植えており、「カビバラ、ワニ、ツカーノなどの動物が観察できますよ」。
この年末には、現工場の隣接地に六十五億円を投資して、医療・食品用アミノ酸工場が完工予定。さらに、同州バウルー市に近いペデルネイラ市にも、九十五億円をかけて飼料用リジン第二工場も建設中だ。
サンパウロ本社の酒井社長は「とにかく、環境問題が全てに優先する。最新設備の機械を投入しているのが特徴」と語る。
日本からの駐在員は主に、企画・開発部をサポート。「昼食は一般ブラジル人労働者と同じ食事を社員食堂で食べている。日本式ですね」と、馬島センター長は話していた。 (総)