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汚染個所が急増=工場跡や倉庫など要注意=サンパウロ州

11月11日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】サンパウロ州で人体に有害とされる汚染地区がこの一年間で新たに七百五十カ所指定された。そのリストおよび危険度については環境衛生技術公社(Cetesb)が十二月までに公表する。
 昨年十月の時点で七百五十カ所だったことから、一年間で倍増の千五百カ所となった。しかし、これらは監督官が調査した分のみで、実数ははるかに多いとみられている。
 汚染の大部分は異臭の発生や、建物や土地が変色することで市民から通報されている。通報を受けると監督官は現場に急行し、汚染が確認されると所有者に汚染物質の駆除や汚染場所の洗浄を命じる。汚染が激しい場合は閉鎖の措置も取る。しかし湖水や空き地に捨てられたゴミの撤去には手が回らない状態だ。州内の川や排水槽などには降雨のたびに大量のゴミが溜まり、周辺住民の健康を害することになる。
 汚染問題を専門とする調査機関エコスによると、サンパウロ州内には少なくとも三万に上る汚染個所があるという。その多くは廃業や移転した工場跡で、使用した科学薬品が建物の壁や土中にしみ込んでいる。また営業中の倉庫や運送会社でも貨物から漏れ出した薬品などが処理されずに放置されていることがある。
 さらに危険なのがガソリン・スタンドで、地下に埋められた鉄のドラム缶が腐食してガソリンが流れ出し、付近一帯に充満している例も多々ある。サンパウロ市内では旧工場群が立ち並ぶブラス地区が要注意とのこと。
 汚染は健康や環境のみならず、危険地区に指定されると周辺の不動産価値が下落するため、市民の財産を脅かすもとにもなる。汚染の告発は電話0800・113560(環境衛生技術公社)または0800・618080(自然環境保護院)で受け付けている。

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