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国会空転で財政ひっ迫=192億R$宙に浮く=地方選で事実上休会=インフラ整備で状況深刻

11月12日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】約二カ月にわたり国会が空転しているため、補正予算の執行承認が出来ず、各関係機関は財政がひっ迫している。国会議員らは政府の怠慢に対して抗議。現在六十六案件、総額百九十二億レアルの予算が国会の承認待ちで宙に浮いた形となっている。各省は活動を停止した状態で、州や市は地方交付金が滞っているため困窮している。また国会でも議員手当の支払いができない状況。中でもインフラ整備は資金不足が深刻な様相を呈している。

 国会は九月十六日以降空転を続け、一度も決議投票を行っていない。政府はこれに対し、地方統一選挙で審議は不可能とし、事実上休会となった。そのため予算を必要とする六十六件、総額百九十二億レアルに上る案件が国会の承認を得られないまま宙に浮いている。
 中でも深刻なのがインフラ整備で、とくに運輸省では十億レアルの予算が確保されているが、執行できないでいる。このうちの四億七千万レアル強は国道の拡張、整備などで、唯一の輪送手段となっている国内では経済に影響するため、これらの工事は急務を強いられている。
 また貧困対策には八億九千四百三十万レアルが計上されているが、貧困者への付給は止まったままで、「絵に描いた餅」となっている。これに加え、国会内でも財政がひっ迫しており、二十四億八千万レアルの停止で、公務員や年金受給者の支払いもままならぬ状態。また州や市への交付金も止まっているため十三カ月給料も払えぬ地方団体も出始めた。
 さらに公社への予算十三億レアルの執行停止で、ペトロブラス(石油公団)は原油採掘プラットフォームの建設やガス・パイプラインの敷設計画を延期せざるを得ない破目になっている。また、これまで公共事業で違法として中断命令を受けながら、再審で工事続行が許可された二十以上の案件にも手が付けられない状態だ。
 政府筋は早急に対応すると共に、来週中に決議案を上程して承認を得たいとの意向を示した。これに対し、国会予算委員長のパウロ・ベルナルド議員(PT、パラナ選出)は、政府の約束はこれまで四度も反古にされたとし、「狼少年」を返上して与野党内外の信用を取り戻すのが急務との見解を示した。また、財政黒字で金は充分あることだし、出すものは早く出すべきとの態度を明らかにした。