11月13日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】サンパウロ州バーレ・ド・パライーバ地方ロレーナ市で十一日、火薬製造工場で爆発が起き、三人が即死、六人が重軽傷を負った。工場には五百人余の従業員がいたが、製造課程毎にラインが分断されていたため爆発の誘発は起らず、被害は最小限にとどまった。さもなくば工場全体の爆発につながり大惨事を招くところだった。
爆発が起きたのはオリカ・ブラジル社の工場で、午前八時半に一度爆発が起こり、十分後二回たて続けに爆発が起きた。事故当時二十人の従業員が現場にいたが、うち製造部長を含む三人が爆風で即死した。負傷者六人が病院に収容されたが、四人は意識不明で生命の危険にさらされている。その中の一人は爆風で右足を吹き飛ばされた。
このほか工場内には五百人余りの従業員が従事していたが、工場敷地が二百万平方メートルと広く、爆発現場も一千七百五十平方メートルの敷地に分離されていたため、他の部門には引火しなかった。しかし爆発のショックは大きく全員がパニックに陥り、泣き呼びながら避難したという。
爆発音がすさまじかったのと、他部門への引火を心配して隣接のタバチンゲタ市とクルゼイロ市の消防も応援に駈けつけて消火に当った。工場一帯は立ち入り禁止となり、従業員は安否の点呼をした後、消防に誘導されバスで避難した。
警察と消防で事故の原因を調査中だが、同社広報室によると、爆発を起こした工場は原料溶液を混合するラインで、製造過程での爆発は考えられないとしている。さらに工場は一月に新設したばかりで、最新の防災設備を施していたという。
同社はオーストラリアに本社を置き、同市で五十年間操業している国内ではトップメーカーで、製品は建築物や鉱山の爆破に使用される。奇しくも十五日には無事故百万時間を達成する矢先の事故だった。
爆発による黒煙は五キロ遠方からも見られ、従業員らの家族が心配して駆けつけたため、現場は混乱した。五時間経ってようやく家族の安全を確認した人もいた。