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ブラジル産牛肉輸入を一部解禁=ロシア=全面解禁も近い?=プーチン大統領来伯時か=人工衛星で両国提携

11月18日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】ロシア向けブラジル産牛肉の輸出が一部解禁となった。ロシア政府とブラジル農務省が十六日に公表したもので、狂牛病がアマゾナス州で発見された九月以降、ロシアへの輸出は禁止されていた。これを機に全面解禁も近日中に行われるとみられている。正式発表は、来週訪伯が予定されているプーチン大統領がルーラ大統領との会談後となる見込みで、今回の措置は予備のレール敷きとされる。プーチン大統領とは経済交流のほか、人工衛星や基地の建造をめぐる両国の提携について話し合いが持たれる予定。プラナルト宮は中国の胡主席に続き盧韓国大統領、そしてプーチン大統領の要人訪伯で慌しい動きに包まれている。

 牛肉はロシア向け輸出の柱となっているが、アマゾナス州で狂牛病が発見された(同州からは輸出されていない)九月二十一日以降全面輸出禁止となった。しかしロシア政府は十六日、サンタ・カタリーナ州産について解禁すると通達してきた。ブラジルでの狂牛病検査のために先週から滞在している同国の獣医らが問題なしと判断。これを受けて関係者らは、プーチン大統領の訪伯に先がけて今週来伯した同国ミッションと交渉を重ねることにした。
 ロシアへの肉類の輸出は今年一月から十月までの累計で牛肉が十二万七千トン(一億九千五百九十万ドル)となり、昨年同期比で九二・七九%(一六二・三三%)増となった。鶏肉は十七万四千トン(一億四千四百万ドル)で昨年比それぞれ六・五一%(五二・六四%)増加した。豚肉は二十三万七千トン(三億六千五百万ドル)で、昨年比マイナス九・〇二%となったが、金額では二五・二七%の増加となった。合計では数量で五十三万九千トン(昨年比九・八四%増)、金額で七億五百万ドル(同五三・二%増)となった。
 農務省は輸出解禁に伴い、年未年始の消費増加でさらに輸出が増えるとみている。またサンタ・カタリーナ州の一部解禁により、隣接するパラナ州や南リオ・グランデ州も必然的に解禁になるとして、その時期は、プーチン大統領来伯時、さもなくば今月中との見通しを示している。
 いっぽうで人工衛星に関しては、プーチン大統領が来伯時、覚え書に調印できるようロシア側から四件が提案されている。提案は人工衛星と基地の建造と、昨年八月に爆発事故を起こし二十一人の技術者が犠牲となったマラニョン州のアルカンタラ基地の再建が挙げられている。
 この事故の後、事故原因解明のためロシア人技師が来伯している。さらに現在ブラジルが所有している二基の人工衛星は地球を回る移動型で、一周するのに一カ月を要するため、ロシアの技術で一カ所に静止して衛生写真を撮影する新規の人工衛星を打ち上げる計画も検討される。