家具・家電量販店カーザス・バイーア。全国に三百軒以上の店舗を所有、小売最大手の一つだ。サンカエターノ・ド・スールで寝巻きや敷布などの行商から始まった。名前は、常連客の多くがバイーア出身だったことに由来する。
創業者は、ユダヤ系ポーランド人のサムエル・クレイン氏。第二次世界大戦中に強制収容所に送り込まれ、死と背中合わせで生きた。体験談が宣伝されるたびに、店舗が増えていくそうだ。
渡伯の年(五二年)から行商を始め、第一号店の開店資金を得たのは五年後のことだった。今月三十日が創業記念日。
移民の起こした産業で知名度の高いものと言えば、イタリア系のマタラーゾ、ドイツ系のガロットなどが思い付く。果たして、日系ではどんな名が挙がるのだろうか。 (古)
04/11/18