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上院、司法改革法案を可決=13年ぶりに決着=司法の民主化への第1歩

11月19日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】上院は十七日、司法改革法案を賛成五十六票、反対二票の絶対多数で可決した。同法案は再度下院に回されて承認を受けた後、大統領が署名し発令となる。下院ではすでに可決されているが、上院で改正案が盛り込まれたため、形式的に再度可決される。
 司法関係にメスを入れるのは十三年ぶりで、サルネイ上院議長(元大統領)を始めとする議員らは一様に「司法権という殻に閉じこもっていたのを民主化させる一歩」と可決を評価している。
 同法案の目玉は司法審議会の設立にある。これは裁判官、判事や検事および市民代表からなるメンバーで構成され、外部から司法体制などについてアドバイスしていくもの。特に判決の遅れなどを指摘し、裁判の迅速化を図るのを狙いとしている。ただし、裁判官の人事に関わる決定権は有しない。
 また法案では、連邦最高裁の判決はこれまで多数決とされてきたが、これを三分の二の絶対多数とすることを定めた。さらに裁判では二親等の近親者が裁判を担当することを禁じた。また、裁判官が退職後、三年間は弁護士活動およびそれに類似する活動を禁じた。
 連邦裁の権限も拡大した。人権擁護がからむ犯罪や復讐、正当防衛なども一括して連邦裁扱いとした。また労働裁判や企業の違法摘発は地方労働裁判が扱っているが、同等の権限を連邦裁も有することになる。さらに選挙に関しては地裁および高裁の裁判官が兼務していたが、これを裁判官の任命も含め、連邦裁が一括して担当する。これは先の統一地方選挙で、与党労働者党が選挙裁判で不利な判決が下りたことに不満の意を表明していたことが原因とみられる。