11月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】清涼飲料水の今年の販売量が史上初めて百二十億リットルの壁を打ち破る見通しとなった。これまでの販売量は二〇〇〇年にわずかに上昇したものの、一九九八年から百十億リットル台で横ばい、あるいは減少しつつあり、百二十億リットルは一つの壁となっていた。
清涼飲料メーカー連盟によると、本年一月から九月までの増加率は昨年同期比プラス一・八%となった。第1・四半期は長期化した降雨による気温低下で販売量は伸び悩んだ。しかし十月に入り暑くなった後、十一月と十二月は夏のシーズン到来となり、例年第4・四半期は一年の売り上げの三〇%から三五%を占める。この事から同連盟は昨年の百十五億七千万リットルの販売量を四%上回ると見込んでいる。
同業界の販売量はコカコーラ・ブラジルとAMBEV(ペプシとグァラナ・アンタルチカ)の二社がシェアの七〇%を占めて市場を押さえている。五〇%以上を占めるコカコーラ社は今年第2・四半期は七%、第3・四半期は一四%とそれぞれ昨年対比で増加した。コカコーラ・ブランド単品は一五%の増加。いっぽうのAMBEV社は、第3・四半期に昨年同期比で、数量で三・七%、金額で一四・一%の増加となった。
さらに同連盟では、清涼飲料水は低所得層にとって一種のぜいたく品であり、失業や所得に影響されるという。今年は景気が回復し、失業が減少したことが需要の伸びた原因だった。またGDP(国内総生産)も指針となり、例えば昨年はマイナス〇・〇二%成長だったため、販売量は前年比三・三一%の減少をみた。
これにより、市場動向を見極める必要があるため、設備投資拡大の決定は二〇〇五年末あるいは〇六年になると予想している。ブラジルには中小合わせて七百のメーカーがあり、生産能力では世界第三位となっているが、人口一人当たりの消費が年間六十五リットルと世界第十九位に位置づけている。これは、さほど清涼飲料水を飲む習慣がないポルトガルやフィンランドよりも低い結果となっている。