ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 副市長を誘拐し殺害=閑静な農村に衝撃走る=スーパーで買い物させ射殺=イビウーナ

副市長を誘拐し殺害=閑静な農村に衝撃走る=スーパーで買い物させ射殺=イビウーナ

11月23日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ州イビウーナ市で十九日、現職の副市長が電撃誘拐された挙句に殺害される事件が発生した。警察は一味四人のうち三人をスピード逮捕し、残る一人の身許割り出しと行方を追及している。
 殺害された副市長は同市でも由緒ある家族の一員で、先の市長選挙で次期副市長に再選されたほどの人望家だっただけに、日頃閑静な農村地区には衝撃が走った。
 さらに同市はサンパウロ市近郊に位置し、日本からの移住者や日系人が古くから居住し、果物や野菜など農業を始め、多方面で活躍している街として広く知られている。また、景観が良く保養地に適していることから、サンパウロ市在住でシャカラ(別荘兼小農場)を所有して週末や休日を過す人も多い。この事件で治安強化を要望する声が強まっている。市長は同市を三日間の喪に服することを発令した。
 事件は十九日午後八時半ごろ、アルマンド・ジアンコリ・フィリオ副市長(55)が友人の市議と帰宅途中、自宅付近のサンロッケ市で、四人組に拉致された。一味らは銀行の自動現金支払い機で副市長の口座から現金を引き出そうとしたが失敗に終わった。
 その後、ソロカバ市の二十四時間営業のスーパーに直行し、DVD二台とヘアドライヤーを購入して副市長に支払わせた。さらに一行はラポーゾ・タバーレス道八〇・五キロ地点で二人を車から降ろし、歩き出した背後からピストルで数発射ちこんだ。そのうちの一発が副市長の胸部に命中した。難を逃がれた同行の市議は通りかかったトラックに助けを求め、警察に通報するとともに副市長を病院に運んだが、そこで死亡した。
 警察はスーパーの防犯カメラを再生したところ、店内で買い物をしている一味の映像をキャッチし、身許を割り出した。近隣の警察の協力のもと、十七歳の未成年の女を含む三人をスピード逮捕した。三人は犯行を認めているという。購入したヘアドライヤーはこの女が以前から欲しがっていたものだった。