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古希から社会福祉に着目=山口さん=援協に計画的に年末寄付=すでに4回10万レ=年金生活、モジで悠悠自適

11月23日(火)

 サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)の山口正邦監事(73)=モジ・ダス・クルーゼス在住=が十八日、援協理事会の席上、年末寄付として三万レアルを贈った。同氏の年末寄付は、今回で四回目。これまでの合計は、十万レアルに達した。個人の寄付では日伯友好病院建設の時に金塊十四キロ半、現金二万二百ドル、二万クルゼイロを支援した宝田豊造さんに次ぐ規模になるという。
 山口監事は、化学技師で六一年に移住。六五年から九二年まで、NGK(日本特殊陶業)に勤務した。六四年から一年間、アメリカ・シアトルに留学した時、ドーナツ化現象に注目。都市郊外の人口が増加、それに伴なって不動産の価格が高騰していくことに興味を持った。
 酒もタバコもたしなまずに節約。給与の半額をモジ市内の自宅を中心に土地の購入に投資してきた。今は、自宅が四千二百平方メートル、その周囲に約七千平方メートルの土地を所有している。
 古希(七十歳)を迎えた〇一年に、社会福祉への貢献に目を向け、年末助け合い寄付をスタートさせた。
寄付金は、土地を切り売りして得た収入の一部だ。野村次郎援協第三副会長を通じて、初年に一万レアルを贈った。
 翌年から援協理事会に招かれ、その後三年間、毎年三万レアルずつ寄付している。年金生活者で悠々自適の生活を送っており、七十五歳まで年末助け合いを続けたいという。
 援協事務局は「個人でこれだけ多額の寄付をくださる人は、宝田さんを除いてほかにはいない。本当にありがいことです」と喜んでいる。