身長百五十四センチと短?で、生来右足が数センチ短かったという。ブラジルを代表する画家ポルチナリだ。県連バス旅行で、その生家を訪ねたとき、初めて知った。
奥モジアナ線ブロドスキー市。家の敷地内には礼拝堂もあるが、壁画の聖人たちの顔がどうも見慣れない。と思えば、親族の顔を重ねて描いたそうだ。画家の遊び心か。
荘厳でも、人間味のある空間。素直に「法悦」の境にひたった。新大陸のキリスト教美術は今も昔も、総じて親しみやすい装飾性が特徴である。
ミナス州のバロック式教会で見られるアレイジャジーニョの作品もその一例だ。彼は手足指に障害があった。だが、ポルチナリ同様、作品に一縷のハンデも感じさせない。鷹揚として力強い。
ブラジル美術の二大巨匠が、共に肉体的には恵まれていなかったという事実は興味深い。 (大)
04/11/23