11月25日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】来月で終末を迎えるサンパウロ市マルタ政権だが、予算を全て使い果たした上に債務を抱え、サンパウロ市内は無残な姿をさらけ出している。公共工事は停止され、清掃業務もとどこおり、マルタ市長の目玉政策だったCEUs(統一教育センター)では警備員の給与も払えない状態だ。
マルタ市政で生まれた財政赤字は十二億レアルにも上り、市の支出を制限する財政責任法と国税法に違反している。これにより裁かれ有罪となれば、同市長は選挙権および被選挙権を失うばかりか、場合によっては身柄を拘束されかねない。関係者は現在のサンパウロ市の様子をサッカーの試合に例えて、決勝進出を果たせなかったチームが消化試合で怠慢なプレーをしているのと同じだと揶揄している。
財政難により、市の公共サービスを請け負っている三十に及ぶ会社は一様に六十日間の支払い遅延となっている。決算書に表われない様に市当局は財務課に支払い伝票も回していないことから、支払いはいつになるか不明の状態だ。
このため、北部のバナナルとグァラウ地区のピシノン(排水槽の通称)は折からの降雨でゴミの山となっているが清掃されていない。付近の住民は悪臭に悩まされている。もちろん保健所の消毒作業も期待できない。街路の清掃なども通常の半数に減っている。道路の穴埋め作業は市の命令で、作業員が半数削減された。
市がタオルを投げたのが市営中央市場で、八月二十六日に改装工事を終えてマルタ市長の選挙キャンペーンに華々しく登場したが、今は管理費が尽きてトイレは汚れっ放しで、レストラン広場の入居者がいない。また公共工事もストップしたままで、レボウサス大通りは歩道の修理が終わらず、作業員も見当らない有様だ。このほか、マルタ市長が公約した二軒の病院建設はプロジェクトのまま机のひき出しに入ったまま。ラジアル・レステ通りの拡張工事も選挙期間中に終わるはず筈だったがお手上げの状態となっている。交通局は請負業者との五十台のレッカー契約を打ち切り、手持ちの十五台で細々と駐車違反を取り締っている。