11月26日(金)
京都クラブがブラジル京都会として県連加盟へ――。京都府出身者などの親睦団体として五十二年の歴史を持つ京都クラブが、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)に初めて加盟することが二十五日、分かった。二〇〇八年の移民百周年に、これまで一度も来伯したことがない府知事を呼ぶためには、公的団体としての法人登録が不可欠だ、という同クラブの判断に基づくもので、すでに二十一日の臨時総会で承認。二十六日に行われる県連の代表者会議で四十六番目の団体として認められる方針だ。
一九五二年に創立され、京都府出身者らの集いの場として機能してきた同クラブ。七二年からは毎年一名の留学生を送り出すなど、地味ながら着実な活動を続けてきた。
県連加盟のきっかけは、今年六月に来伯した京都ブラジル文化協会の親善使節団だった。京都外国語大学の森田嘉一学長が会長を務める同文化協会は、ブラジル在住経験のある京都府民などで構成され、今年で創立十五周年。使節団が「百周年にはブラジルに行きたい」などとの府知事からのメッセージを携えたこともあり、同クラブでは府知事の招聘を検討。公的な訪問を実現させるには、同クラブに公的な資格を与える法人登録が不可欠との結論に至った。
また、「ブラジルにおける京都の文化紹介」「他の県人会との関係強化」なども県連加盟を後押しした。
八月から県連のアドヴァイスを仰ぎ、法人登録への準備を進めてきた同クラブ。二十一日に行われた臨時総会では出席者二十四人、委任状十の計三十四の賛成を受け、法人化が承認された。
県連の承認を受け、すぐにも正式に登録したい意向で、団体名は「ブラジル京都会」。来年四月の同クラブの定期総会で正式に立ち上げが決まる、と杉山エレーナ代表幹事は説明する。
四十六番目の参加団体となることについて杉山代表幹事は「反対意見もあったため慎重に進めたかったが、府知事招聘のスケジュールの問題もあり、急がざるを得なかった」。今後目指す幅広い活動のためにも、会員らに協力を呼び掛けていく考えだ。
府との関係強化だけでなくこれまでサンパウロ州とパラナ州がほとんどを占めていた京都府出身の移住者をブラジル全土から集めたいという。「今までやれなかったことが県連加盟で実現できるはず。ぜひ理解を求めたい」と初代会長に就任する予定の杉山代表幹事は力を込める。