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IPEA=サンパウロ市の交通政策を批判=利用者よりバス会社重視

11月27日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】応用経済研究院(Ipea)は二〇〇四年七月のデータに基づいてサンパウロ市、ポルト・アレグレ市、ゴイアニア市の公共交通政策を調査・分析し、十一月に発表した。この三市はいずれも労働者党(PT)が市政を担い、十月の選挙で同党の候補者らは敗北を喫している。
 三市とも利用者のサービス向上といった社会的公正面の改善よりも、運行コスト削減など交通機関の効率性を高め、バス会社の収益を増やす点に重点を置いたことを調査結果は明らかにした。
 サンパウロ市ではマルタ市政発足以後、採算性の低い周辺地域を中心にバスの運行台数が約二〇%削減された。PTは当初、低所得層を優遇するため別料金の設定を計画していたが実現には至らず、バスターミナル整備への投資も十分でなかった。これはバス会社の圧力が原因とされている。
 バス会社の競争入札も実施されたが、新たに参加した企業は一社のみで、入札は事実上骨抜きとなった。ビリェッテ・ウニコ(二時間乗り継ぎ可能なバス乗車券)の導入は、利用者全員の利便性を向上させた点で評価されたが、財政収支の赤字転落が懸念されている。
 一方、バス料金が総合市場物価指数(IGP―M)より低く抑えられたこと、全台数の半数にあたる一万五千台のバスの改良、専用路線による通行時間の短縮、違法営業バスの減少については、同院は高く評価している。

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