11月30日(火)
「ブラジル発展のために沖縄県系政治家の活躍を!」。沖縄県人会(宮城調智会長)が主催した沖縄県系市長・副市長・市議当選祝賀激励会が、二十六日午後七時半からサンパウロ市の同会館で行われ、百人以上が詰めかけた。
十月三日の地方統一選挙で、サンパウロ州・パラナ州・ミナス州などで十六人の沖縄系政治家が当選した。そのため県人会本部では四年前に引き続き、二回目の祝賀激励会を開催してウチナーンチュの絆を確認し、ブラジル発展に尽くしてくれるよう熱いメッセージを贈った。当選した十六人(市長四人、副市長二人、市議十人)のうち、市長二人を含めた九人が出席した。
宮城会長は「ブラジルが発展し世界の大国となるには、まず政治家が国内問題を解決することが重要。十六人も当選した喜びを、みなさんと分かち合うと同時に、より一層働いてもらいたい」と激励した。
かつて九〇年代中頃には沖縄系だけで三人の下院議員を輩出した。伊波興祐、具志堅ルイス、神谷牛太郎、三氏だ。その一人、サンパウロ市の神谷市議(PFL)は「私の父は、まさか息子がこのような場によばれる重要な人物になるとは思ってもいなかったでしょう。沖縄系政治家は連邦政府の具志堅ルイス長官を筆頭に各階層にあまねく存在し、つねに団結心を見せている」と語った。
プライア・グランデ市のヨナミネ・カツ市議(PSDB)は「四十四年前にヨナミネ家は移住してきた。私が小さい頃、父に連れられてここに来た記憶がある。このような形で戻ってこれたことを誇りに思います。さらに沖縄系政治家の存在を大きなものにしなくては。そのためにはこのような催しは重要だ」と意義を強調した。
伊波興祐氏の弟、サンロウレンソ・ダ・セーラ市の伊波コリュー市議(PSDB)は、「私も以前、父に連れられてここに来た憶えがある。兄弟共々、戻って来れて満足している」という。
カンピーナス市のヤビク・モキチ・ルイス市議(PSDB)は、「父が渡伯して今年でちょうど五十周年。記念すべき年にヤビク家の名を市の歴史に刻めたことは大変嬉しいこと。ここに列席した人には再選が多い。これは沖縄系の血の力だと思う。我々が座るこのメーザ(机)は年々大きくなるに違いない」と県系の躍進を誓った。
北パラナのロンドリーナ市から参加したカナシロ・ロベルト市議(PSDB)は、「このような場に集まると、自分がウチナーンチュであることの自覚をますます強め、安堵感につながる」との心中を披露した。
乾杯の音頭をとった山城勇評議委員会会長は、「全伯で十四~十五万人のウチナーンチュがいる。ここで寄せられる激励は、その全員の声だと思って、ますます頑張っていただきたい」と檄を飛ばした。
九人の現役とその家族を囲むようにOB政治家らも集まり、夜十一時近くまで楽しい祝宴は続いた。