12月3日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ブラジルのカントリーリスクが一日、前日より二・四三%低下して四〇二ポイントとなった。一時は三九六ポイントまで下がり。史上最低水準となるかとも思われた。しかし、この数値は一九九七年十月以来低いものとなった。
カントリーリスクはその国の財政状態の指数で、主にこれまで発行された国債や公債の支払い能力の目安とされている。また私企業の資金調達や設備投資の検討材料とともに、外国投資家の信用を得るために重要な指標となっている。
今回のリスク低下により外国取引所は早速反応を示し、Cボンド(外国証券取引所で人気があり最も取り引きが盛んなブラジル発行の国債)は〇・五六%上昇し、一〇一・二五%となった。またBRI四〇も〇・六五%上げの一一五・七五%で取り引きされた。
リスク低下の背景にはブラジルの経済成長が世界に広く認識されたことがある。ブラジル地理統計院(IBGE)が三十日に発表したGDP(国内総生産)の成長率は九月までの累計で五・三%、昨年同期比で六・一%(本紙一日付既報)で、予想をはるかに上回った。また外債支払いに必要な外貨準備には、貿易黒字が現在まで三百一億強となっており、本年末の政府目標三百二十億ドルの達成は時間の問題とみられている。
十一月に入ってドル安が進んで輸入が急増したが、貿易黒字を計上したことで、輸出基盤の確立を実証したことも海外投資家の信用を得る結果となった。
この現象を受けて金融アナリストらは、年初に一時四〇〇ポイント台に低下したが、経済成長と輸出に不透明な部分が多く不安要素が強かったため翌日に上昇した経緯があるが、今回の低下は本物で、さらに二カ月以内には三〇〇ポイントの大台に乗ると言い切っている。
ブラジルのカントリーリスクは二〇〇二年四月に現在の倍以上の八五七ポイントを記録、九月には最高値である二三九六ポイントまで上昇した。その後徐々に低下し、昨年は五〇〇ポイントから九〇〇ポイント台で推移。今年に入り四月には八〇〇ポイント台になったものの、その後低下し、八月以降四〇〇ポイント台を維持してきていた。