12月3日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】ルーラ大統領は一日、サルバドール市で開催され、観光関係閣僚三十人が出席した「平和と持続的発展のための世界観光フォーラム」の開会式で演説し、名前を直接引用しなかったが、先日自分を「無能」呼ばわりしたカルドーゾ前大統領に逆襲した。
用意した原稿とは別に即興で「我々は良い段階に入っている。うまくいかないことを願う人々が多いことはわかっているけれども」と述べた大統領は、「ブラジルでは過去に応援していた人間には事欠かない。いるでしょう? 別れた自分の妻が新しい男と幸せになるのを望まない元夫が。新しい夫が自分よりひどいことを願う男が」と、皮肉いっぱいに前大統領を当てこすった。
「入院したことがある人は集中治療室から出て病室に移ることが良好な経過であるとわかるが、入院したことが一度もない人間はそれがわからず、部屋が変わっただけとみる」と、二〇〇三年に政権を引き継いだ時に深刻な状況にあったブラジルを何とか立ち直らせた点を大統領は訴えた。
景気回復を強調した後、ルーラ大統領は文句を言うのはやめるよう人々に求めた。「一日中文句を言うのはやめなければ。雨が降っても、晴れても、曇り空であっても文句を言う泣き虫女がいるでしょう? 何かに満足しないとね」。
同フォーラムで大統領はまた、観光客を呼び寄せるためにはブラジルについて良い印象を与える必要があるとテレビ放送を批判した。「テレビを見た人は、北東部は干ばつ、リオは強盗、サンパウロは誘拐ばかりだと思うだろう。良い面もみせないと」。