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来るか竜王戦=移民100年の年、サンパウロ市に

12月3日(金)

 移民百周年に将棋の竜王戦を呼びたい──。ブラジル将棋連盟(中田定和会長)の中で、気宇壮大な記念事業に対して期待の声が盛り上がってきている。実現すれば、南半球で初めての開催。第一局は海外都市が開催地に選ばれており、ブラジルでの将棋普及の大きな起爆剤になる。関係者によると、先ごろ青野照市九段(51)が、主催の読売新聞社に打診。同社担当者はまだ白紙状態だと否定したものの、感触は悪くなく、今後の交渉次第では、動き出す可能性もあるという。
 「イビラプエラ公園の日本館で、日本のタイトル戦が開催出来ないだろうか」。同将棋連盟幹部の間で、以前からそんな希望が出ていた。
 竜王戦は、棋王戦などタイトル戦の中でも賞金額が三千二百万円(第十六期、〇三年)と最高額。知名度も折紙付きだ。現在第十七期が開催中で、森内俊之竜王(34)と挑戦者・渡辺明六段が七番勝負を行っている。
 内海博前会長(81、東京都出身)は「将棋を通じた日伯交流の良い機会になるし、ぜひ実現させてほしい」と話す。
 野月浩貴六段と西尾明四段が先月、北米や南米を旅行。将棋連盟に立ち寄って、指し手の手ほどきをした。西尾四段の師匠が青野九段で、中田会長の知人でもある。二人を接待したことに対する同九段から謝礼がこのほど届き、竜王戦の開催についての記述があった。
 新川一男監事(59、広島県出身)は「もし可能なら、大賛成。ブラジルでも将棋が盛んだということを日本在住者にも知ってほしい」。板井清さん(81、大分県出身)は(81)は「高段位者の対局はテレビやビデオでしか見たことがない。対局をそのまま見ることは出来ないかもしれないけど、プロ棋士が間近でみることが出来たら」と期待を膨らませていた。