12月4日(土)
第十回全伯日本語スピーチコンテストが十一月二十一日、パラー州ベレーン市の汎アマゾニア日伯協会であり、全国八地区の予選から勝ち上がってきた二十三人の日本語学習者が弁舌を競った。主催は国際交流基金サンパウロ日本文化センター(吉井弘所長)。熊本早さん(サンパウロ)が最高レベルのAカテゴリーで優勝、錦戸実ブルーノさん(マナウス)が大使杯とANA賞を受賞した。
今回のスピーチコンテストは、アマゾン日本移住七十五周年記念事業に組み込まれており、約百四十人が会場を訪れた。一人のスピーチが終わると質問が一つあり、原稿内容と実際の日本語力の差を測ることになっている。今年は両者の差が小さく、本人のレベルに合った内容だった。また、ジェスチャーや発声を変化に富むものにしたり、民謡を歌うなどして聴衆を引き付ける工夫も凝らされていた。
ただ説得力に欠けるものもあり、十分に意思を伝えられなかった人も目立ったという。
最高レベルのAカテゴリーは日本語環境に育ったり、日本滞在経験のある人が対象。熊本さんは、ミランドポリス市の弓場農場で育った。「日々の暮らしの中で」と題してスピーチ。発音や文章構成の上手さが評価された。
錦戸さんは同じくAカテゴリーに出場。会場の票で選ぶ大使杯、日本往復切符を争奪するANA賞の二冠に輝いた。テーマは「夢に向かって第一歩」。
審議中にはフランシーネ・マユミさんがショーを披露して観客を楽しませ、表彰式後には懇親会がもたれた。
スピーチコンテストは汎アマゾニア日伯協会などとの共催。在ベレーン総領事館が後援、全日空、ヴァリグが協賛した。
結果は次の通り。A=熊本早(日々の暮らしの中で、サンパウロ)、B(中級レベル)=上間明(心の中のふるさと、ブラジリア)、C(初級レベル)=レオナルド・フィルモ(新しい世界への飛行機、サンパウロ)、大使杯=錦戸実ブルーノ(夢に向かって第一歩、マナウス)、ANA賞=同上、特別審査員賞(1)きれいな日本語賞=金子ガブリエル(便利なものの怖さ、マナウス)、(2)表現技術賞=ラファエーレ・ソアレス・デ・リマ(部屋の片付け、リオデジャネイロ)、(3)感動賞=ダニエル・ドス・サントス・リマ(日本がくれた夢、リオデジャネイロ)。敬称略。