12月8日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】サンパウロ市は六日午後、市内全域に及んだ集中豪雨により各所が混乱に陥った。市緊急対策センターによると、午後一時四十分から午後四時三十分までの短時間にサンベルナルド・ド・カンポ市では六十ミリの雨量が観測された。サンパウロ市内ではペニャ地区が四十一ミリで、月平均雨量の二五%に達した。アリカンドゥーバ川は一メートルも増水し通りや住宅に浸水した。
このほか、エルメリノ・マタラーゾ、モーカ、イタケーラ、サンミゲルの地区で平均雨量がオーバーし混乱をきたした。同センターへの通報では十八カ所で街路樹が倒れ、うち四本が路上駐車していた車を直撃した。幸いけが人はなかった。また九カ所が浸水で通行止めとなった。このうち三カ所が市内東部に集中した。
サンパウロ市とサントス海岸地区を結ぶアンシエッタ道では、雨足が最も早かった午後三時、サンベルナルド・ド・カンポ市を横切って流れるリベイロン・ドス・コウロ川が増水し、水が車道に溢れ出した。このため通行中の車数台が水につかり立往生した。
運転手ら十五人から二十人は水の中を自力で脱出したが、フィオリーノ車の運転手は逃げ遅れて車体の上で救助を待つ破目となった。濁流が早く、駈け付けた消防も手が出せず、運転手はヘリコプターのゴンドラで吊り上げられ救出された。運転手は「泳ぎには自信があるが、急流を見てとても飛び込む勇気はなかった」と述懐している。
いっぽうで交通当局は午後二時四十四分にこの一帯を通行止めにしたにもかかわらずバリケードをよけてムリに通行しようとした結果だとし、こういうマナーの悪さが惨事を引き起こす原因になると苦い顔をしていた。
この増水で車道は泥土がたまり、復旧は午後八時過ぎとなった。通行止めを知らずに同自動車道に入ってきた車は上下線とも十キロ走行するのに二時間以上も費やした。また、ABC地区はサンパウロ市との道路が途絶え、一時、孤島と化した。
また同日早期、バンデイランテス大通りで五トンのセメントを積んだトラックが横転し積荷が散乱したため、両車線が四時間以上も通行止めとなった。マージナル・チエテやピニェイロスを結ぶ幹線のため、両マージナルは渋滞をきたした。