12月8日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】ブラジル中央銀行は六日、為替市場でドル買いを実施した。購入した金額は発表されなかったが、市場関係者らの予想は五百万ドルから三千万ドルと幅広い。
今月三日に一ドル二・七〇九レアルの終値をつけた為替市場は、六日に取り引き開始後、一ドル二・六九七レアルと二・七〇レアル台を割り込んだ。中銀は同日午前十時五十五分にドル買いを発表、その後ドルは二・七二レアル前後で推移し、二・七一九レアルで取り引きを終えた。
市場関係者らは一ドル二・七〇レアルを割り込むことを中銀が認めていないと受け取ったが、ドルの反発が小さかったことから、今回のドル買いは為替市場に大きな影響を及ぼさなかったともみている。
ドル安傾向が続く中、数週間前から中銀の為替市場への介入は予想されていた。国際金融市場の動揺に備えるためにも中銀は外貨準備を増やす必要があった。しかし、来年のインフレを懸念し、その対策としてドル安を容認してきた側面も市場関係者からは指摘されてきた。
メイレーレス中銀総裁はリオ市で六日、中銀のドル買いは為替市場への介入ではないと発言した。今回のドル買いは昨年から始められた外貨準備増額の一環であり、「我々は為替レベルに目標を設定しない。底も天井もない」と強調した。パロッシ財務相も今回のドル買いを評価し、政府もドルの底値を設定していないことを明らかにした。