12月8日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】アメリカから強制送還されてきたブラジル人一行六十四人が六日、グアルーリョス市のクンビッカ空港に到着した。一行は不法入国のかどで逮捕され、テキサス州の刑務所に収監されていた。通常は四カ月間の服役だがブラジル政府が外交ルートを通じて手を回し帰国が早まった。一行の話によると、まだ四百人のブラジル人服役者がおり、今回はその第一陣だという。
一獲千金を夢みて米国へ密入国を図るブラジル人は後を絶たない。彼らはコヨ―テと呼ばれる仲介業者を通じてメキシコに飛び、そこから密入国するが、これが一般的なルートとなっている。国境を過ぎると砂漠があり、ここを徒歩で突破する難関が待ち構える。
先週この砂漠で密入国者と思われるブラジル人が死体で発見されている。密入国者のほとんどは国境で国境パトロール隊に逮捕されるが、中には折角砂漠を走破してホッとした所で逮捕された不運な者もいる。一行によると、刑務所内の待遇は良く自由だったという。
到着した一行のうち四十三人がミナス州出身で、一様に所持金がないため、政府が飛行機代を援助するという。一行の一人は、わずかに所持していたドルは刑務所に預けられたが、出所時は早く飛行機に乗って帰国したくて、お金を戻してもらう手続きも放棄してきたといい、現在は百三十八レアルしかないと笑っていた。いずれも就職探しを始め一から出直すという。