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県連・日本祭り=アニメ界の巨匠登場か=「宇宙戦艦ヤマト」松本零士氏=外務省を通し招聘へ=来年の集客の目玉に

12月8日(水)

 来年の日本祭りに日本アニメ界の巨匠登場か――。ブラジル日本都道府県人会連合会が主催するコロニアの冬の風物詩フェスチヴァル・ド・ジャポン(日本祭り)のテーマが、ブラジル人にも絶大な人気を誇る「アニメ・漫画」となることが決まった。県連では外務省を通じて、今年漫画家デビュー五十年を迎えた有名アニメ作家の松本零士氏を招聘することを企画。同氏の代表作品の一つでもある「宇宙戦艦ヤマト」がブラジルでも放映されたこともある上、昨今のアニメブームも手伝って大きな関心を集めそうだ。

 今年はハリウッド映画の大ヒット作品「ラストサムライ」にあやかって「侍」をテーマに据えた日本祭り。来年度からジャバクアラ区のイミグランテス展示センターに会場を移転することもあって、県連執行部では集客の目玉につなげようと、ブラジル社会で広く認知されている日本の漫画とアニメに白羽の矢を立てた。
 先月、ブラジリアで開かれたユネスコの会合に、日本から河井克行外務大臣政務官が出席。サンパウロ市内のイビラプエラ先没者慰霊碑を訪れた同政務官が県連幹部と懇談した際、来年のテーマが話題に上がった。
 松本氏と個人的に親交があるという河井政務官は「松本氏をゲストとして呼べないか打診してもいい」と申し出た。
 一九三八年一月、福岡生まれの松本氏は今年、デビュー五十周年の歴史を誇る漫画・アニメ界の第一人者。「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999(スリーナイン)」など宇宙を舞台にした壮大なアニメ映画が代表作で、二十年以上前の公開当時には、日本で社会現象を巻き起こしただけでなく、現在でもファンは多い。
 ブラジルでも八〇年代に「ヤマト」がテレビ放送されたこともあり、三十代以上を中心に今も人気が高い。アニメブーム全盛の現在、その関連イベントには数万人単位の集客が見込めるだけに、日本祭りにはうってつけと言えそう。
 県連ではすでに松本氏をゲストに据えた企画を数多く企画し、その計画を元に外務省を通じて招聘を実現したい考えだ。サンパウロ総領事館の渡辺博領事は「漫画やアニメは展示における著作権の問題などクリアしなければいけない問題があるが、河井政務官から申し出があったのは事実」と前向きに協力したいとの意向を示す。
 記者会見や講演会や同氏のこれまでの作品展示、漫画の書き方講習会、「宇宙戦艦ヤマト」のアニメ映画上映会などアニメファンには垂涎の内容が盛りだくさんだけに、八回目を迎える日本祭りの大きな目玉になることは間違いない。
 また、県連では来年七月十五日から十七日の開催期間中の初日に、サンパウロ市内の貧困層などから児童ら約三千人を招待し、アニメや漫画の楽しさを伝える社会的貢献も検討中だ。中沢宏一会長は「単に集客の目玉にするだけでなく、子供たちに夢と希望を与える場にしたい。ぜひ、松本先生の招聘を実現させたい」と話した。