12月10日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ペルーのクスコで開催されている南米首脳会議に出席しているルーラ大統領は八日、演説の中でアルゼンチンのキルチネル大統領を非難する発言をして物議をかもした。
ルーラ大統領は、南米共同体を確立する重要な会議にリーダーの一人である大統領が欠席するのはけしからん、誠意に欠けると、名指しはしなかったもののアルゼンチン大統領を暗に非難した。この発言で慌てふためいた副大統領を始めとするアルゼンチン代表団は、大統領は六カ月前に血を吐いて入院して以来、医師から、心臓に負担のかかる高所に行く事を禁じられているという異例の声明文を発表した。
しかしルーラ大統領はそれを意に介せず、記者団にブラジルは南米で最大の経済と工業国であり、アルゼンチンに対して「忍耐」と「寛容」を示す必要があると述べ、また同国首脳の神経を逆なでした。
腹立ちがおさまらないルーラ大統領は、さらにベネズエラのチャベス大統領にも八ツ当りをして、同大統領を「心配症」だと決めつけ、アメリカの言い成りにならず自国の国策を貫くことだと公言した。これに対し同大統領はコメントを避けたが、労組時代にきたえたルーラ大統領の攻撃精神を見せつけた一幕となった。