12月10日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】昨年度のブラジル人の平均寿命は七十一・三歳(男性六十七・六歳、女性七十五・二歳)で前年よりわずか〇・三年の伸長となった。国連の世界ランキングでは二〇〇二年の八十八位から八十六位に上昇したにとどまった。このまま推移すると日本の八十一・六歳のレベルに到達するには三十五年かかると見られ、長寿国の仲間入りは程遠い。この原因として、若年層の殺人や交通事故死が挙げられており、これらが改善され減少すると、平均寿命の上昇は加速すると指摘されている。
ブラジル地理統計院の発表によると、昨年度のブラジル人の平均寿命は七十一・三歳(男性六十七・六歳、女性七十五・二歳)で、前年比では〇・三年の延長となった。しかし同院の分析によれば、殺人や交通事故死が先進国並みに減少していれば、平均寿命は七十三・八歳に達していたという。これは、社会福祉省と保健省がそれぞれ年金と衛生の予算を位置づけるために寿命と共に年代別の死因などの調査を委託していることから明るみに出たもの。
国連が発表した世界ランキングでブラジルは百九十二カ国中、〇二年に八十八位、〇三年はわずか上昇して八十六位だった。日本の平均寿命は八十一・六歳だが、ブラジルはこのまま推移すると、八十歳に達するのは約三十五年後の二〇四〇年になると指摘している。
一九八〇年から〇三年までに平均寿命は八・七年の伸長となったが、女性が九・五年に対し男子は七・九年と格差が広がった。(八〇年には男女の差は六年だったが、〇三年は七・六年となった)。
この原因は若年層での殺人や交通事故死が足を引っ張っていることにある。例を挙げると、これが原因で二十五歳の死亡は〇二年で、男子が千人当たり三・三人に対し、女子は〇・九人で男子は三・六七倍だった。この傾向は〇三年にさらに増加し、男子が同数に対し女子は〇・八七人と減少したため、対比は三・七九倍となった。
いっぽうで自然死以外の死亡の中で、七九年から〇一年の間に交通事故死が百二十万人、殺人による死亡が六十万人に達した。九八年から新道交法や銃器所持法の制定で減少傾向にあるものの、同院の統計では殺人件数は八〇年から二〇〇〇年までの二十年間で一三〇%の増加となっている。八〇年の殺人は十万人当たり十一・七人に対し二〇〇〇年は二十七人へと上昇した。
いっぽうで一歳以下の乳児死亡率がこの二十三年間で三九%減少したという明るい報告もある。〇三年の死亡は千人当たり二十七・五人となり、二〇〇〇年比八・六%の減少となった。さらに〇四年は二十六・六人になると予想されている。それでも国連の世界ランキングでは百九十二カ国中、〇二年は百位で翌年はワン・ランク上がったにとどまった。一位はシンガポールの二・九人、最下位はセーラ・レオアの百七十七・二人だった。
これまでのブラジルの平均寿命の推移をみると、八〇年は六二・六歳(男子五十九・七歳、女子六十五・七歳)。九一年は六十六・九歳(男子六十三・二歳、女子は七十・九歳)、二〇〇〇年は七十・五歳(男子六十六・七歳、女子七十四・四歳)、〇二年は七十一・〇歳(男子六十七・三歳、女子七十四・九歳)、〇三年は七十一・三歳(男子六十七・六歳、女子七十五・二歳となった。