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天皇誕生日祝賀会=日伯の各界代表一堂に=「コロニアと皇室は伝統的に親密な関係にある」

12月10日(金)

 天皇誕生日祝賀会が九日午前十時から文協貴賓室で、正午からはサンパウロ総領事公邸で、今年も盛大に祝われた。ともに例年通り各界の代表が集まり、紀宮さまのご成婚内定が話題になるなど、明るい雰囲気につつまれた祝賀会となった。
 午前十時から、文協、援協、県連、老ク連、日文連の五団体が共催し、約百人が貴賓室に詰めかけた。奥の壁には例年通り、両陛下の肖像画が設置された。この絵は一九六七年、皇太子時代に来伯された折にプレゼントされたもので、両陛下の写真はあっても、肖像画は海外にほとんどないという。いわば〃コロニアの宝〃だ。毎年、この日だけ一般公開されている。
 まず、文協コーラス部が「君が代」とブラジル国歌を斉唱、上原幸啓文協会長が挨拶した。「天皇陛下におかれましては、ブラジルに特に御心をお寄せ頂き、再度にわたってご来伯くだされ、日伯の親善外交に大きな功績を果たされました。また、日系コミュニティに対しても、数々の温かい激励のお言葉を賜りましたことは、在伯日系社会に一員として、終生忘れ得ぬ感激と存じ上げます」と述べた。
 続いて、サンパウロ総領事館の丸橋次郎首席領事が、「コロニアと皇室は伝統的に親密な関係にある。それは、皇室にとって、頑張っている日系社会の方々に親しみと敬意を抱いているからでは」と述べた。「陛下もお元気で公務に励んでいらっしゃるし、紀宮殿下がご成婚を内定され、明るいムードの中でめでたい日が迎えられたことは本当に喜ばしい」。
 援協の和井武一会長の発声で万歳三唱、乾杯が行われた。
 正午からは総領事公邸で昼食祝賀会となり、約三百人が参集した。正面玄関入ってすぐにご真影が設置され、ホール入り口では石田仁宏総領事夫妻が一人一人出迎えた。サンパウロ州政府要人、ブラジル外務省、警察、軍などのブラジル社会代表をはじめ、コロニア団体トップが一堂に顔を揃えた。
 同公邸では、一週間前から仕込んでいた自慢の各種日本食料理、寿司、天ぷらなどが振舞われ、出席者は舌鼓を打った。
 聖西日本語教育連合会の国井精名誉会長(68、ポンペイア出身)は、「私は二世だが皇室には大変な敬意を感じる。海外にいながらこのような式典に参加させてもらえることは、本当に光栄です」と語った。
 サンパウロ軍警総司令部の谷口潔軍警中佐は、「九二年に日本の外務省研修生の一人として、皇太子殿下にお会いした。すごく親しみやすく、心から敬意を感じた。今日もこんなにたくさん来賓が集まっているのを見て、皇室への関心の高さに改めて驚いている。紀宮さまのご成婚、本当に喜ばしいと思います」と述べた。
 エスペランサ婦人会名誉会長の水本すみ子さん(84、北海道)は、「天皇陛下が皇太子時代の六七年、エスペランサ婦人会にも寄って頂き、『みなさまご苦労様です。これからも頑張ってください』とお言葉をかけられたことを憶えています。毎年、この日が来るのを楽しみにしています」と言う。
 各国の在聖総領事および名誉総領事ら五十人以上へ招待状が送られており、マスコミ関係者、各界の文化人らも多数出席した。