12月11日(土)
ブエノス・アイレス市で九日に開かれた伯亜連絡会議では、亜国要求のセーフガード(緊急輸入制限)案をめぐり辛辣なやりとりが行われた。両国間貿易の不均衡が、益々拡大することに亜国側は狼狽している。ブラジル側は自由貿易を建前とし、セーフガード方式を拒否した。ルーラ大統領は、亜国の地場産業延命策を提案。大統領はメルコスル温存のために、調和の取れた両国の産業発展を模索するよう進言した。亜国は九九年にブラジルが通貨を切り下げて以来、伯産製品の洪水に悩まされ、セーフガード方式導入を打診していた。
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エスピリト・サント州ヴィトリア市カリアシア区の国道から三百メートル入った雑木林の中で、児童(九歳)四人の死体が発見された。死体は全員、手足を縛られ頭部と腹部脇に暴行を受けた痕跡があった。署長の話では、児童は貧民街に住み、動物を捕獲する罠を犯行現場で作っていた。一児童の兄が殺人を犯したことへの復讐とみる怨恨説と、性格異常者の犯行説が捜査線上に浮かび上がっている。同地方に類似の犯罪がなく、仮説が成り立たないという。
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三人の少年(17、16、15)が八日夜、自動車強盗の容疑で逮捕された。三人はサンパウロ市東部タトァペ区の友人宅で開かれたパーティーに行くため自動車強盗を計画。強盗に使われた銃は、少年の一人が軍警の父親から盗んだものだった。逮捕後三人はフェベンへ。父親は銃の管理に問題がなかったかどうか調査される。
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ブラジルで〇三年に行われた違法中絶手術は百十八万件、一分間にほぼ二件の割合で手術が行われたと推定されている。妊婦の三一%が中絶を、二三%が望まない出産を行っており、三十人に一人の女性が中絶を経験するという。先進国と違い、中南米諸国では既婚者かつ母親の間に違法手術が多い。