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渡辺博領事が離任=惜しまれながら=『島唄』に想いを込めて

12月11日(土)

 ♪ウージ(サトウキビ)の森であなたと出逢い、ウージの下で千代(チヨ)にさよなら――。五日の紅白歌合戦で熱唱した『島唄』のその意味は。
 「短い期間でしたが、いろいろなことが出来たのではと思っています」。サンパウロ総領事館の広報・文化班、渡辺博領事(45、岐阜県=写真右)が十六日帰国することになり、後任の杉本麗名(りな、30、高知県=写真左)副領事を伴って来社した。
 渡辺領事は、「サンパウロ州といえばサトウキビ生産で有名でしょ。そこで出会ってお世話になったコロニアの皆さんに〃さよなら〃という意味で歌わせてもらいました。さらに言えば、移民船で海を渡ってこられた皆さんや大好きなサンパウロに『鳥とともに海を渡れ、私の涙』という哀別の情も込めました」と解説する。
 イタリア語専攻で、同国に五年間赴任していた渡辺領事だが、新任地は愛知万博協会。ふるさと岐阜の近くに住み、しばらく親孝行したいという。
 二年九カ月で帰国とは少々短めの任期。ひんぱんにコロニアの催し事に顔を出し、親しまれていた領事だっただけに別れを惜しむ声も多い。
 後任の杉本副領事はやはり外務省。ポ語が専攻で、ポルトガルに四年勤務した経験がある。今年五月にブラジルに初赴任していた。「伝統的な日本文化だけでなく、今の日本も伝えたい」と抱負を語る。「できる限り百周年の下準備をお手伝いしたい」と心強い一言。