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コラム 樹海

 金正日総書記の卑劣さにいまさらながら驚く。でたらめさと虚言癖を合わせ持つ人物らしい。拉致被害者である横田めぐみさんの遺骨は別人のものとわかった。しかも、帝京大学のDNA鑑定の結果、北朝鮮が日本に渡した「遺骨」は二人の人間の骨であることも判明した。ウソもここまでくると、もう真っ当な話をする気も失せ、経済制裁に踏み切るべしの論が強まるのは当然である▼あきれるのは、「遺骨」の偽物が二度目であることだ。先には松本薫さんの「遺骨」が、まったく別人のものであり、北朝鮮の不誠実さを露呈したが〃めぐみさん〃でも同じ轍を踏もうとしたのはお笑いでしかない。北側の説明だと、めぐみさんの夫とされるキム。チョルジュンさんが、土葬された遺体を掘り出して火葬したことになっている。高温で焼かれた骨からのDNA鑑定は至難とされる▼だが、帝京大学の法医学部は新しい技術を駆使し、両親が大切に保存していた―めぐみさんの臍の尾から採取した細胞と「遺骨」のDNAとを鑑定すると、完全な別物と解ったそうである。北朝鮮は、火葬すればDNA鑑定が困難と承知していたらしいけれども、日本の技術は遥かに進んでいたのである。金正日総書記の部下らは「これでだませる」と思ったらしいのだが、とんだ誤算と申すしかない▼細田官房長官は「遺骨が別人」と鑑定されると記者会見を開いて「こんな状況では食糧支援は難しい」と表明し「北朝鮮に厳しく抗議した」と語ったけれども、国民も食糧支援を許すはずがない。 (遯) 

04/12/11