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マナウス、未曽有の活況=トップは携帯電話=来年の受注、今年分を超える=輸送コスト高が課題

12月14日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】マナウス経済特区監督庁(SUFRAMA)は十二日、テレビやバイク、携帯電話、その他電子部品を同特区で製造するメーカーが、創業以来の盛況で沸いていると発表した。〇五年度向け生産は、全て受注済みとなった。耐久消費財の〇五年度景気動向は過熱状態が続くとSUFRAMAはみている。同特区の生産は九〇%が国内市場向けで、生産、雇用ともに発足以来初の活況となった。

 マナウス経済特区には電子機器やバイク組み立て企業を中心に五百社がひしめく。八万五千人を雇用し、年間百三十五億ドルを売り上げている。特区の過熱した好況ぶりは、〇五年一杯続くとみられる。
 〇四年十月までの生産で最も盛況だったのは、携帯電話の一千九百六十万台。続いてテレビの七百三十万台、DVDプレーヤーの二百七十万台だった。全社が〇五年十二月までに〇四年プラス・アルファーの生産を受注し、驚異の年となった。
 特区の企業の多くは〇四年、昨年比二八%増の業績を上げ、年途中で急きょ設備投資を行った。〇四年下半期には新鋭の設備が続々到着した。〇五年度売上は、〇四年度比二五%増を見込んでいる。各社は増産のため、九月から生産のネックとされるプラスチック射出成形部門を四交替制にした。
 しかし、輸送費に異変が起きている。マナウスからサンパウロ市までの製品輸送費が四十フィートのコンテナーで三千五百ドル、マナウスからアジア諸国までの三千ドルよりも高いのだ。ブラジルのインフラ未整備が問題となっている。原因は、積み荷強盗保険や悪路による運送時間の延滞など。
 他に消費市場の過熱によるインフレへのインパクトが、中央銀行通貨審議会(COPOM)の懸念となりそうだ。COPOMは十五日、〇四年最後の月例会議を開く。現行の基本金利一七・二五%について〇五年一月までの動向を米国との関連を踏まえ協議する。
 米国のFRB(連邦準備制度理事会)も十四日に株式公開審議会を開催し、短期公定歩合の引き上げを決める。十五日はブラジルとFRBで二つの通貨審議会が開催される。国内関係者は、基本金利(SELIC)の〇・五〇%引き上げは免れないと踏んでいる。
 経済特区の盛況に引き換え、国内全般では最近の過熱傾向が小康状態に入ったとジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)のモリ教授はいう。景気の減速現象は九月後の基本金利引き上げを反映したものではなく、景気の回復が頂点に達したものだと同教授はみている。しかし、インフレ指数が徐々に上がり、潜在圧力は明白だ。〇五年もインフレの定着は織り込み済みのようだ。
 投資家の注目は、十五日に協議されるブラジルのSELICとFRBの公定歩合だ。FRBは公定歩合を〇・二五ポイント引き上げ、二%から二・二五%へ設定する予想が関係者の間では強い。
 新しい基本金利について意外な展開も予想されるが、十二月下旬はクリスマス・ムードに入り、投資家の熱気は冷める。PMDBの連立離脱騒ぎや連立与党の動揺など政界の動きを反映した市場の動きは、単なる背景の変化で終わり、株価の大きな変動はないと関係者らはみている。