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放射性物質=不十分な安全管理=事故発生の可能性高く

12月14日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】政府は原子力開発プログラムの拡大を計画しているが、放射性物質を扱う国内各機関の安全を保障するための検査・監督体制は十分ではない。
 放射性物質安全監督官協会(Afen)と専門家らは、放射性物質の安全管理、安全基準を使用者に遵守させる法的規制について、原子力エネルギー委員会(Cnen)の権限不足を指摘する。Afenは報告書の中で「安全対策の不備により、国内の放射性物質使用施設で事故の発生する可能性がある」と記した。
 「ゴイアニア放射線治療施設で一九八七年に発生した、放射性物質セシウム一三七の放射能漏れ事故から、我々は何ら教訓を学んでいないようだ」とドゥアルテ連邦下議(緑の党)は述べ、原子力部門の現行法規制の見直しを訴える。同事故では七人が死亡、数百人の付近住民が放射能に汚染されている。
 二〇〇二年にはトゥバロン製鉄所でセシウム一三七が、〇四年にはリオデジャネイロ州の下着製造工場から放射性物質が盗み出された。下着工場の放射性物資はCnenに登録されていなかった。盗まれた放射性物質は核兵器製造に悪用される恐れがある。
 Cnenは原子力開発の奨励と監督の責任を負うが、独立した二つの機関が奨励と監督をそれぞれ担当すべきと、カトリック大学(リオ)のパショーア教授は話す。放射性物質を扱う際に安全基準を満たさなかった機関を罰する法的権限をCnenは現在持たないため、罰則規定を盛り込んだ新しい法規制が必要とAfenは訴えている。