12月15日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】十二日に行われたブラジル民主運動党(PMDB)の臨時党大会での決議が政界に波紋を投じ、新たな局面へと展開しつつある。
党大会で「造反議員」と烙印を押された親政府派議員は決議に猛反発し、離党はおろか現職のポストにとどまるとの態度を示すとともに、党大会は無効だとする訴えを起こした。
いっぽうで、「ほこりが静まるまで静観する」と宣言したばかりのルーラ大統領は言に反し、これら議員をプラナルト宮に招き、同党の政府ロビイストとして再確認する態度を示した。また与党労働者党(PT)執行部の中には、同党のテメル党主を失脚させて親政府派のサルネイ上院議長(元大統領)をよう立する動きも出ている。
造反議員とされたサルネイ上院議長、同党上院リーダーのレナン上議、下院リーダーのボルバ下議、エウニシオ通信相、アミル社会福祉相らは、党大会をボイコットし、党大会の決議を無視することを再確認した。
また、一度は党大会の無効判決が出ながら高裁で逆転して有効判決となったことに対して、党大会が終了した午後五時半を過ぎた午後五時四十五分に判決が下った点を指摘し、あくまでも無効を主張して最高裁で争う構えを見せている。
サルネイ上院議長は、党を分裂の危機に追い込んだのはテメル党首の責任とする声明を発表し、上院二十二議員のみが反政府派で、下院七十六議席のうち四十六議員は親政府派だという勢力分布を念頭に入れて、団結を図るべきだと強調した。
いっぽうでPT首脳部による政策審議会では、最低賃金引き上げと所得税減税がテーマだったが、この議論はそっちのけで、PMDB対策が主流を占めた。
なかでも二〇〇六年の大統領選挙で同党が前回に反して独自の候補をよう立することで、ルーラ大統領の再選を危惧する向きが大勢を占めた。特に最強敵のPSDB党候補との連立(第二次決選での)が、懸念された。
これに対しては、二〇〇六年三月の同党首選挙にサルネイ上議をよう立し、後押しすることで了解した。なかにはそれ以前の臨時党大会でテメル現党首の追い出しを図るべしとの極論も飛び出したという。