12月15日(水)
【ヴェージャ誌】将来の志望決定は全ての青年にとって、人生で最初の苦汁の選択だ。周囲の人たちは異口同音に好きなことをやれというが、これほど無責任な忠告はない。好きなこととはサッカーに興じ、エロ本を見て海浜で冷たい生ビールを飲むことだ。
ハーバード大学で教鞭をとる傍ら、青年らに心のケアも行うコンサルタントをサンパウロ市で営むステフェン・カニッツ教授は、次のような助言をする。
社会が最も必要とする仕事に就労する技術者へ企業は高給を払う。好きなことをする人間に企業は、ビタ一文払わない。必要とする仕事と好きなことが一致したら、この世界はどんなに素晴らしいことか。
多くの青年は、第三セクターの就労を希望する。好きなことして、その上サラリーまで貰えることを夢見る青年が多い。それは哲学科の教授だけだ。人間が好きなことを自分の職業として選んだら、この社会はどうなるか。
小児科医や助産婦は真夜中の二時に起きて、救急患者を応対する。医師は好きでなくても、日曜も祭日もなく働く。それは、そうしなければならないからだ。多くの人の福祉のために、嫌われ蔑まれ敬遠される仕事がある。こうなると好きなことをする人は、利己主義者といえそうだ。
プロとしてではなく人間として忠告するなら、好きなことをするのではなく、せねばならないことをするべきといえそうだ。自分の職業に不満でも、最高の出来栄えを誇れ。その業界で有名人になろう。高給は貰えないかも知れない。でも幸福感で一杯だ。