12月15日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】世界各地で異常気象が懸念される中、サンパウロ大学(USP)農学部ルイス・デ・ケイロス校は、干ばつが予想される北東部地方と北部地方で利用されるかんがい機器の購入について次のような助言をした。
まず安物買いは高くつくと心得ること。投資の回収には時間がかかることを覚悟する。八年から十五年とみる。現在の相場でかんがい設備の費用は一ヘクタール当たり一千ドルから二千五百ドルかかる。
システムに大差はない。各地域に適したシステムの採用がよい。点滴方式や回転式高圧放水、小型回転式放水、落差式引水方式、消防用放水方式、セントラル・ピボー方式などがある。
放水口を詰まらせる養分を含んだかんがい用水は、水質に注意する。放水量が均一でないのも、作物が不揃いになるので要注意だ。土壌は砂質土や粘度質土でかんがい度数は異なる。かんがいする水量は同じでも、放水方法を工夫するだけだ。
作物が必要とする水量と取水できる水量も調べる。五十リットル必要な作物に百リットルをかんがいしても五十リットルの水と動力は無駄になる。最も大切なのはかんがいの結果見込まれる生産性。それを無視するとかんがい設備は重荷になる。
かんがい設備には土壌の湿度計や作物のストレス計などがある。購入前にメーカーを信用できるか調べること。新式の器具が次々発売されるが、いい加減なものもある。他に河川の水使用を規制する市や郡があるので、前もって確かめる。