12月16日(木)
ブラジル日本都道府県人連合会(中沢宏一会長)主催の、百周年記念事業に関する「日系社会の総意」について意見を交換する会が十四日午後二時半から、栃木県人会で行われた。モジやスザノを含め、一般から約五十人が参加して二時間半にわたって熱い議論が交わされた。
さまざまな立場から一気に不満が噴出した。先の百周年臨時総会で議決されたヴィラ・レオポルジーナに建設予定の日伯総合センターに、主な批判の矛先が向けられた。
最終的に、議長役の中沢県連会長の提案で、「本会合出席者の意見では、レオポルジーナへ建設する日伯総合センター計画へ賛成する人は一人もいない。したがって、百周年祭典協会は、この計画を再考することを望む」点と、「このような会合を多く開催し、意見を交換する場を企画することを望む」点を百周年祭典協会に提案することが決められた。
百周年祭典協会からは吉岡黎明プロジェクト委員長と、菊池義治総務副委員長が出席した。
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まず、ブラジル日本移住者協会の小瀬真澄会長は、「我々は祭典協会で二口も払っている会員なのに、臨時総会の招請状でも一回も来たことない。戦後の連中だけ、のけ者にされているように思えてならない」と怒りをぶちまけた。
「一世にも優秀な人はいっぱいいる。役員のせめて半分ぐらいは一世でもいい。どうして入れないのか不満だ」と語った。
リベルダーデ文化福祉協会の網野弥太郎評議員長は、「大きな建物が人を集めるのでなく、組織、中身が人を惹きつける。大きな会館を作っても、必ずしも人がたくさん集まっている訳ではない。これは今までの経験から明白だ」と強調した。
「今回の議決の仕方はあまりに荒っぽすぎる。コンセンサスがなさ過ぎだ。果たしてそのようなセンターが必要なのか、という話し合いをせずに既成事実のように出されてしまった」と批判し、東洋人街には二十余りの県人会と日系主要団体の本部が集中しており、「先人が営々と築いてきたリベルダーデを見直そう」と呼びかけた。
池崎博文同協会会長も、「文協の周辺の土地を買わないかという話も来ている。数十人の有志で土地を買い求め、文協を中心にリベルダーデを再活性化するようなプロジェクトを考えたらどうか。建設的な方向性として、団結を呼びかけたい」と東洋人街を舞台にした別構想を持ち出した。
文協評議員の田辺豊太郎さんは、「〃形有るものいつか壊れる〃の通り、コチア、南伯、南銀も無くなった。時代を超えて残るのは思想であり、精神だ。つまり百周年を考えるなら教育が最も重要だ」と語った。
続けて、「全伯を包括できるプロジェクトでなければ意味をなさない。全伯のものなら、全伯から声を聞くべき。今の百周年協会は独走している。今のままでやっていくなら、彼らは別の名刺を作ってやるべきだ」と厳しい意見を述べた。
百周年のプロジェクト委員を務め、箱物構想の順位付けなどもした広島県人会の大西博巳会長は、「(ヴィラ・レオポルジーナのプランは)僕らが審査した時と内容も建物も変わった新しいプロジェクトだと臨時総会で質問したが、議論されなかった。今回のではまるで商業プロジェクトだ。日系団体のことが考えられてないから、このように異論が沸いてくる。今のやり方は間違っている」と語った。 つづく