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企業負担大きい労働法=85カ国中で最大=失業、非正規雇用を生む=任期後半で抜本改革へ

12月21日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】米国のエール大学とハーバード大学の経済学部は十八日、労働契約の柔軟性と解雇費用について八十五カ国を調査した結果、労働法が企業に課す負担がブラジルで最も重く、順守困難のため雇用が妨げられていると発表した。現実を無視した労働法が失業者を生み、労働者をアングラ労働市場へ追いやったという。ルイジーニョ下議(労働者党=PT)は投資呼び込みのためにも、労働法と組合法の抜本改革委員会の結成を宣言した。

 今回の調査結果は、労働法の抜本改革を公約に掲げたPT政権の二年間の勤務評定ともとれるものとなった。多くの期待を担って登場したPT政権だが、何ら改革を行わず、ブラジルは労働条件の最後進国と指摘された。
 調査は、米州開発銀行(IDB)の後援により両大学の教授五人が先進国や発展途上国など八十五カ国を対象に行い、企業側の義務に関する法令数と負担度、柔軟性、解雇費で比較指数を設けた。
 ブラジルは、二・四ポイントで最高となった。中南米ではブラジルに続いて、メキシコが二・〇一。ペルーが一・六七、チリが一・五七、アルゼンチンが一・五五。先進国ではドイツが一・五七、米国が〇・九二だ。経済発展で華々しいアジア諸国は韓国が一・三六、マレーシアが〇・八七、シンガポールが〇・八五、香港が〇・七六と全般に低水準となっている。
 過重な労働法で一ポイント上がる毎に、各国のアングラ経済は六・七%増加し、労働者の一三・七四%をアングラ労働市場へ追いやる。また失業者が三%増えると報告。若年労働者でみると、一ポイント上がる毎に男性の失業者が六%、女性が一〇%増えると両大学の教授が指摘している。
 調査は労働契約の補足事項にも触れた。第一は労働法以外のプラス・アルファーがあるかどうか。第二は週末休暇や出産休暇は順守されるか。時間外勤務は正確に支払われるか。第三は会社が解雇費を確保していても、雇用関係は安定しているかなど。
 補足事項では、ブラジルは総合点で二・四〇とトップ、平均の一・五八をはるかに上回る。労働契約は神聖にして犯さざるべし、一切の融通は許さない。契約内容から少しでも外れるなら、労働裁判所へ訴えられ雇用主はお咎めを受ける。
 PT政権が労組法と労働法の抜本改革に何ら手も付けないまま二周年を迎えることは、大きな手抜かりとしてアピールされた。下議のルイジーニョ教授(PT)は、政権後半二年の間に必ず両法の改革に取り掛かると宣言した。同下議は、委員会を設立して連邦令に抵触せず現実に即した斬新な改革案を近日中にも議会へ上程することを確約した。
 解雇の際に負担となる勤続年限保障基金(FGTS)の五〇%追加負担が、企業にとって新社員採用の最大のネックになっている。これだけでも軽減されるなら、雇用は一〇%増える予測だ。多くの企業は解雇資金がないため無能社員を放置し、経営上の機能障害を起こしている。経営者の労働法嫌悪も、アングラ市場の拡大に加担している。

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