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補正予算案、国会提出へ=交通インフラ整備進める=資金は黒字算出方法変更で

12月21日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】政府は二十四日までに承認を受けるべく、来年度補正予算案を国会に提出することを決定した。この補正予算は国庫から新たに支出するのではなく、現在政府が国際通資基金(IMF)との間で交渉を進めており、「パイロットプラン」と呼ばれる国家財政のバランスシート算出法の変更により捻出される資金を充当する。
 政府がIMFに対し提案しているのは、公共設備投資の予算をプライマリー黒字(債務償還前の黒字)から除外することで、IMFの融資の返済額を減らし、その分を活用しようというもの。IMFへの返済はプライマリー黒字の一定率が基準となっている。
 この提案をIMFは検討中だが、政府は月末までに回答を得たいとしている。今回の上程はIMFに対するジェスチャ―とも取れる。いっぽう、年内にIMFの承認を取り付けることで、来月に入って国会審議がスムースに運び、決議が得られると踏んでいる。
 政府案によると、来年度の補正予算は二十七億四千万レアルで、その九〇%以上に相当する二十五億三千万レアルは、交通機関の整備へ投資される予定。なかでも国道の整備や拡張は、来年度の通常予算ではすでに八億七千四百万レアルが計上されているが、今回新たに八億一千万レアルが追加された。これにはリオ・グランデ・ド・スル州のオゾリオ市からサンタ・カタリーナ州のフロリアノポリス市を結ぶ国道一〇一号線の車線拡張や、北東部地方での車線拡張、ミナス・ジェライス州からリオデジャネイロ州までの新道建設も含まれる。
 また国内主要港も通常の一億四千六百万レアルに加えて四億レアルが追加され、港湾施設の改善が行われる。このほか、かんがい設備も投資の対象となった。さらに国税庁のIT化にも六千万レアルが追加される。新規案件のなかには、八千二百万レアルが計上されたミナス・ジェライス州の州都べロ・オリゾンテ市のメトロ新設工事がある。