犯罪天国、今は昔=タックス・ヘブン魅力薄れる
12月22日(水)
【ヴェージャ誌】税制恩典とタックス・ヘブンは、グローバル化された資本主義社会の一部となっている。このシステムは、汚職やテロ活動、麻薬などで生まれた資金の洗浄に役立っている。タックス・ヘブンの範囲規定と不正資金の流れ阻止が各国の課題となっている。
タックス・ヘブンという言葉は、法の網をかいくぐり、ドルが一杯詰まったトランクを枕に美人の膝枕で労せず酒池肉林を味わうという、地上の天国を連想させる。実際は警察や裁判所から追われる逃亡者の生活で、鉄柵の無い牢獄といえる。普通の人間には窮屈なところなのだ。
タックス・ヘブンでは税制恩典の他に、資産隠ぺいや守秘サービスを徹底する。不良債権で経営不振に陥ったサントス銀行のエデマール・フェレイ氏の邸宅は、ケイマンの会社が所有。収集した絵画はバージン島の会社が所有。どこまでそれが可能か、誰でもタックス・ヘブンのカラクリを不思議に思う。
九・一一同時多発テロ以来、テロ資金の流れの捜査により、タックス・ヘブンの手入れが厳しい。ケイマンやジャージー島は恩典の魅力がなくなった。反対に正規資金を低率税制で招く都市が、オランダやポルトガル、英国で雨後の竹ノ子のように生まれた。
いまはタックス・ヘブンが、犯罪都市や税制無法地帯のようににらまれる。タックス・ヘブンの中で資金の流れを追えば、犯罪捜査が容易だという見方もある。そのためタックス・ヘブンは、どのように秘密を守り資金を集めるかに苦心している。経済協力開発機構(OECD)はタックス・ヘブン四十一カ国間の流れを明らかにしている。
最近犯罪に利用されるのが、インターネット銀行やインターネット為替、電子取引、電子カード、携帯電話送金、サイバネスティック金融取引。これらは法整備が不完全だから、まだ悪用されている。
タックス・ヘブンでは会社の売買が、露店のバナナのように行われる。銀行が預金者や会社の素性を把握するのは難しいが、OECDが租税協定を結び、取引者の身元調査を行っている。OECDに協力を拒否した国はナウルとミャンマーだけとなっている。