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サンパウロ州知事選出馬を表明=マルタサンパウロ市長=党内に波乱巻き起こす
12月24日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】マルタサンパウロ市長が二〇〇六年のサンパウロ州知事選に出馬を表明したことが、さらに労働者党(PT)の内紛に火をつけた形となった。
同市長は先月開かれた全国党大会で、サンパウロ市長選の敗北はルーラ政権の経済政策が原因だと責任転嫁してルーラ大統領を激怒させたばかり。さらにサンパウロ市内が浸水で大騒ぎしている最中に、夫婦でフランスとイタリアに私用旅行をしていたことで党首脳部のひんしゅくを買った。
今回の出馬表明の際、同市長は大統領府内の党首脳部を公然と批判、かつてのアメリカと旧ソ連の冷戦に例えて、サンパウロ対ブラジリアの戦いを宣言し、敵の司令官はジルセウ官房長官だと決めつけた。
ルーラ大統領は来月に予定されている組閣をめぐって党内批判を受けており、〇六年の大統領選挙をはじめとする統一選挙に関する発言を禁止した矢先の市長の爆弾発言に、党首脳部は苦りきった表情を見せている。
ジルセウ官房長官は従来から党上院リーダーのメルカダンテ上議を推挙している。これに対し、先週下院議長を辞したジョアン・パウロ下議が立候補を表明したことで、党内調整が始まった。今回のマルタ市長の立候補表明はまさに青天のへきれきで、さらに争いが激化する恐れもある。
そもそもマルタ市長は昨年半ばに、市長選挙の勝敗にかかわらずサンパウロ州知事選には出馬しないことを表明、党幹部にもその旨伝えていた。PTのスターと目されていた同市長の変心ぶりに党の対処が注目される。