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30年間に肥満人口倍増=男性の間で急増=アルコールに次ぐ「万病の元」=栄養失調者は半減

12月24日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】ブラジルでは過去三十年間に栄養不良型が半減し、逆に肥満型が倍増していることが明らかになった。飽食時代の現象で、動物脂肪の取り過ぎが原因とされているが、肥満は病気の併発を招くことで、アルコール依存性に次ぐ死因の高さを示している。関係者は煙草に神経をとがらすように、肥満の防止運動にも注力すべきだと指摘している。とくに男性の肥満が急増しており、果物や野菜を多目にとるなど、食事の改善を図らなければ大事に至ると警告している。

 ブラジル地理統計院(IBGE)が二〇〇二年六月から〇三年七月までに四万八千四百七十家族の二十歳以上の人を対象に調査した結果、過去三十年間に栄養不良のヤセ過ぎと肥満の人の数が逆転した。
 一九七五年に理想体重をオーバーしていた人は百人中二十三人だったが、〇三年には四十人へと増加した。この時点で、太り過ぎは三千八百八十万人に達し、このうち肥満とされたのは千五十万人となり一一・一%へと上昇した。一九七五年は五・三%だったため、二倍以上の増加となった。逆にヤセ過ぎ(必要体重に満たない)は三百八十万人で四%で、一九七五年の八・三%から半減した。
 この傾向について同院の専門家は、ヤセ過ぎについては政府やNGO団体の貧困撲滅運動に加え、伝染病などの駆除や衛生観念の浸透が功を奏した結果だとみている。いっぽうで肥満の増加については、食事内容の変化が原因と指摘している。
 最近は加工済みの既製食品がはん乱しており、ファストフードと共に家庭の食卓の「定番」となっている。またハンバーガーなども手軽に食するようになり、いきおい動物脂肪の摂取が増えている。さらにケーキや清涼飲水の糖分なども知らぬうちに取り過ぎる結果となる。
 これについて栄養学筋では、肥満は心臓発作、糖尿病、幾種類ものガンの原因となり、その死亡率はアルコール中毒に次ぐ高率となっていると警告している。これを避けるため、果物や葉野菜を多目にとり、砂糖を控え目にすることと忠告している。
 WHO(世界保健機構)でも肥満に警告を発しており、体重の基準(IMC)を設定している。身長を二乗し、その数値で体重を割り算するとIMCが算出される。例えば身長一・六五メートルを二乗すると二・七二二五となる。体重が七十五キロの場合、二・七二二五で割ると二十七・五四八となる。これが平方メートル当たりの体重となる。これをWHOの基準と比較する。WHOでは、十八・五以下をヤセ過ぎ、十八・五から二十四・九までが標準、二十五以上は太り過ぎ、三十以上は肥満体で要注意とランク付けている。
 同院の調査では、ブラジル人の平均は男子で身長一・六九四メートル、体重六十九・四キロで女性は一・五八二メートル、五十九・六キロとなっており、男性の太り過ぎは十四年前には百人に二十九人だったのが、昨年は四十一人と女性よりも増加したと報告している。女性は八九年に四〇・七%(うち肥満は一二・八%)だったが、〇三年には三九・二%(肥満は一二・七%)へと減少した。女性は太り過ぎるとダイエットを始めるが、男性はお構いなしの傾向にあるという。またサンパウロ州では男性の場合、ヤセ過ぎが二・四%、太り過ぎが四七・五%、肥満が一一・三%で、女性はこの順に四・七%、四〇・九%、一四・七%となっている。
 関係筋では肥満防止キャンペーンを展開すべきとの声も強いが、ブラジルは砂糖の最大生産・輸出国のため、砂糖の取り過ぎを宣伝するのは政策に反すると反対意見が根強い。

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