12月24日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】二〇〇二年に数多くの死者を出し猛威をふるったデング熱は、昨年から今年にかけて減少傾向にあるものの、要警戒地区が全国に残っている。保健省が危険地区として認定した六十三都市を調査した結果、同省が設定した安全基準にかなったのは四三・四%だった。昨年は三四・六%だったことから、今年は改善の兆しが見えたが、それでも半数に満たなかった。
同省では各家庭に検査員を派遣し、水溜りの有無やデング熱を媒体する蚊の発生環境などを調査した。これによりランクを設定し、一%以下を安全地帯、一%から三%までを要注意、三%以上を要警戒地区とした。
サンパウロ州では九市で調査が行われた結果、サントス市が一・二%と安全基準をオーバーし、要注意とされた。とくにデング熱のウイルスは暑い時期に繁殖するので、これから行楽客が増える同市では感染者が増えるとみて、当局では注意を呼びかけている。その他の地域では一%以下となった。
全国で警戒地区とされたのが、リオデジャネイロ州とフォス・ド・イグアス市ならびに北部の都市の三カ所だった。調査の詳細は未発表だが、リオ州では六都市のうち、サンジョン・メリテ市、ニテロイ市、ベルフォルト・ロッショ市がそれぞれ三%以上となった。ニテロイ市では今年、昨年より環境が悪化したと報告されている。リオ市は統計が終っていないが、昨年の五・六%を上回る数字になると予想されている。二〇〇二年のデング熱発生では、リオ市に九〇%が集中したことから、新しいウイルスのデング熱がいつ再発してもおかしくない状態にあるという。
危険として指定された地区はいずれも国内の観光名所であることから、年末年始の休暇で訪問客が増加するのを受けて、当局では検査体制を強化する方針を打ち出すとともに、一般市民にも注意を呼びかけている。